急いで来たのか、少し息が切れている。
「ケガして病院に運ばれたって聞いたから、心配したのよ!?でも、仕事が終わらなくてなかなか行けなくて。良かった、無事で」
お母さん……きっと知らされた時凄く心配だったんだろうな。
走るの嫌いなのに、こんなに息が切れるまで走ってくれたなんて。
「でも、どうして病院に運ばれるようなケガなんてしたの?まさか、学校でいじめにでも会っているの!?」
「ち、違うよ。ちょっと転んだだけ」
言えない。
お母さんも会ったこともある愛依にやられたなんて。愛依と友達になった時、お母さん凄く喜んでくれたから。
昔から友達がいなかった私に、やっと友達ができたんだって。
今、愛依ともめているなんて言えるわけないよ。
「そう?なら良いけど。あ、そういえばさっきここから男の子が出てきたんだけど、もしかして彼氏?」
「え?」