それを考える度、胸が苦しくなるんだ。
「あ、そうだった!じゃあ、また明日!」
思い出したように言うと、愛依は教室を慌てて出て行った。
凄く、楽しそうだな。
「はは」
渇いた笑いが誰もいない教室に響く。
いつの間にか他のクラスメイトたちは帰ってしまったらしい。
私、一体何やってんだろ。
愛依に頼まれてお弁当作って、愛依のために桐ヶ谷くんの好きな食べ物や好きな映画とか趣味嗜好を調べて。
自分を追い込むようなことばかりしている。
これじゃあ、二人が付き合っても文句言えないよ。
だって、愛依の背中を押して協力しているのは私だから。
誰もいなくなった閑散とした教室が、まるで私の今の気持ちを物語っているみたいだった。