不敵に笑う藤宮の姿は、俺の背中を凍らせるには充分だった。
何なんだ、この得体のしれない恐怖感は。
「光凛のどこが良いのか知らないけど、このままもし光凛の所に行けば貴方が傷つくことになるんだよ?」
「は?」
どういう意味だ?綾瀬の所に行ったら、俺が傷つくって……。
「多分今、光凛は成瀬くんと一緒にいるよ?仲良くなってキスでもしていたりして」
「なっ!?」
何だよそれ!意味分かんねぇ!
俺の気持ちを知っている光大が、そんなことするわけないだろ!
「嘘に決まってんだろ、そんなの。くだらねぇ」
藤宮の言ったことをすぐ否定した。
こいつの目的は分からないが、藤宮の言ったことは全て嘘だ。
光大が俺を裏切るようなこと、するはずがない。
「じゃあ、これも嘘だと思う?協力してあげるよ。桐ヶ谷くんが光凛と付き合えるように」
ありがた迷惑にも程がある。
こいつに協力してもらわなくても、自分でやれる。