とにかく走って、何とか下駄箱まで来た。



「愛依と桐ヶ谷くんが一緒に帰っているよ!」



「わぁ、お似合い!」



さっきの女子達の会話が、脳内で勝手に再生される。



今頃、二人は一緒にいるんだ。



桐ヶ谷くんはやっぱり愛依のこと好きになっちゃったのかな。
自分で蒔いた種なのに、後悔している。



バカだなぁ。愛依にお弁当を渡した時点で、こうなることは分かっていたのに。




そういえば、桐ヶ谷くんは私のお弁当気づいてくれたのかな。
愛依にお弁当を返された時は、喜んでいたよって言っていたけど。




気付くわけ、ないか。



愛依が作ったお弁当ってだけで、価値あるものだし。




それが本当に、愛依が作ったものかどうかなんて、どうでも良いことだもん。



もし、二人が付き合うことになったら心からおめでとうなんて、絶対に言えない。