なんて、最低なこと考えちゃう。



「俺とお前と、藤宮と光大でダブルデートする、って」
ダブル、デート?
え、話が見えない。何でその四人でデート?



愛依、もしかして私と成瀬くんをくっつけようとしているの?
確かに成瀬くんに告白はされたけど、私が好きなのは……。



「とにかく、今日はダブルデートだから。まぁ、よろしく」



桐ヶ谷くんも愛依に協力しようとしているのかな。
それなら、相当辛いかも。



「光凛!おはよう!」



遠くから可愛らしい声が聞こえて来た。



愛依だ。




「あ、桐ヶ谷くんも来ていたんだぁ。二人とも早いねぇ。後は成瀬くんか」



遠くを見るように、目の上に手をやる愛依。
そんな愛依が、また恨めしくなった。




だって、これって成瀬くんと私をくっつけようとしていて、愛依は桐ヶ谷くんと仲良くなろうとしているってことでしょ?
最近、空き教室にも良く行っているみたいだし。




「ごめん、みんな。お待たせ!」




爽やかな笑顔で現れたのは、もちろん成瀬くん。