嘘。まさか、見られた?
「光大。こんな所で何やってんだよ」
桐ヶ谷くんは私を見ずに、成瀬くんを睨んでいた。
何で、そんな怒っているの?
「何って、告白だよ。ずっと聞いていたんでしょ?俺、光凛ちゃんのことが好きなの」
ずっと?じゃあ、さっきの会話全部聞いていたの?
それで怒っているの?
じゃあ、まさか……ないない。
きっと呆れているんだ。桐ヶ谷くん、こういうこと嫌いだから道端で抱き合うなって言いに来たんだ。
そうだよ。ヤキモチなんて妬くわけない。
「叶斗。宣戦布告だよ。俺は光凛ちゃんを振り向かせてみせる。叶斗だろうと容赦しないから」
「……勝手にすれば。俺には関係ねぇし」
桐ヶ谷くんはそう言って、去って行ってしまった。