6月に入り、お互いに呼び捨てするようになり、そして、高校生活にも慣れ始めたころ、中間テストの時期がやってきた。


このテストで、特進科と普通科の順位が競うことになる。
だから、みんなも担任までもが張り切っている。


でも、そのおかげでここの学園の偏差値は向上しているのかもしれない。


「仁奈は、テスト勉強してる?」

「もちろん!今までほぼ毎日ね!奈々もきちんとしてるでしょ?」

「いやぁ、それがさ、あまりやってないんだ。」

「ほんとに!?ちゃんと勉強して、テストで良い点取らないとここの教室すら凍っちゃうよ?」

「そ、そこまで?」


仁奈は恐ろしいものを想像するかのように、表情を強張らせて話し出す。


「テストってゆうと、この学校にとっては戦いなの。特進科と普通科の間の壁に大きく成績トップ50人が張り出されるの。その50人の中に一人でも多く普通科の生徒が入るためにみんな必死なの。それと、平均点もクラスによって出されるから、低い点だと足引っ張ることになって、みんなに敵視されるの…」

「仁奈の言うとおり。ちゃんとやっとかないと、あとが怖いからな。」


橘まで言うってことは、相当なんだろう。
私は、放課後一人で、テスト勉強を始めようと決めた。