テスト当日は、すぐにやってきた。
私は、自信がつくように大丈夫、大丈夫。と自分に言い聞かせて深呼吸する。


1つの教科が終わるごとに、不安しか募らない。
だって、他のクラスもみんな真剣でほんきだから。


「奈々、一日目終わったね!どう?手応えある?」

「仁奈…無理。苦手な数学だけは、ほんとに、やばいかも。」

「で、でも、他の教科は大丈夫よね?それで補おう!」

「おうおう、お二人さん、どうだったよ。」


呑気に現れるのは、橘だ。
すごく今は、橘と絡む気力などない。こんなのつるむようになってから、初めてだ。


「そういう橘くんは、大丈夫なの?中学のときとは違って留年だってあるんだからね。」

「わかってるよ。だから、塾に通わされてんだよ。」

「そんなこと言って、上手く友達作って遊んでるんじゃないの?」

「俺は、勉強しに行ってるんだよ。仁奈、お前なんか今日はめっちゃ突っかかるね。やばいんだろ〜?」


二人が言い合いしてる中に、私は入っていく気力など毛頭ない。


ふと、ひよりちゃんの方を見ると、帰る支度をすでに終わらせて教室から出ていこうとしていた。


「ひよりちゃん、バイバイ!」

「あ、奈々ちゃんハイバイ。」

「吉田さん、またねー!」

「おう、じゃあな。」

「亀岡さん、橘くん、さようなら。」


さー、また、明日のテストの勉強しないとな。
私は、二人と一緒に校門まで帰った。