「…ちゃんと言えよ。頼むから、隠し事とか…オレにはしないでくれよな?…こう見えて、実は結構嫉妬深いんだから…」

「え…それって、ほんと?」

「あのな、冗談で言えるわけないだろ。こんな情けないこと」

「…ふふふ」

「ハナ…そこ、笑うとこじゃないだろ?…ったく、失礼なやつだな?…でも、まぁ…そんなハナも好きなんだけど」



いつも何処かで…この関係を信じ切れていなかったのかもしれない。
だから、余計に緊張していたのかも…しれない。
嫌われないように…飽きられないように。
それだけを考えてばかりで、ちゃんと目の前で笑ってくれてる虎太郎のことが見れられてなかったのかもしれない。


照れているのか、少し早口でそう呟いてベンチの背もたれに寄り掛かる虎太郎を見て、ドキッとした。
なんでもない言葉のように声に乗せられた想い。
だけど…。
不意をついて差し出された言葉に、どれくらいあたしが救われているのか。
ねぇ…気付いてる?