「由真にもさくらを見習ってほしいですよ……
あいつのせいで胃薬どれだけ消費してるか…」

「あーら?誰の話ぃ?」

今でこそ双葉のママなんてやって偉そうにしてるが、現役時代の由真は酷いもんだった。
当欠なんて当たり前だったし、遅刻常習犯。酷い時は何か月か店を飛んで、ある日突然姿を現してケロッとしている。
それでも店に出てりゃさくらと並んで人気のある女だったし、どうやら世の中にはこいつのようにオラオラしてる女が好きなドM男が多いらしい。

「由真ー!!!何日もお店に来なかったら困るよ!
由真が休んでる間、どれだけ指名のお客さんが来た事か」

「だって彼氏と一緒にいたかったんだもん」

「彼氏が出来るたびに店休むの勘弁してって何回も言ってるだろ?」

「もぉ深海はうるさいなぁ。
いいじゃん~。うちには不動のナンバー1さんがいらっしゃいますし~?
つーかさくらは?セット行って来たら入れ違いだったみたいでさー!
休んでる間もさくらからの連絡ちょー来ててうざかったぁ!」

「さくらはラーメン同伴だとよ」

「ぷ。ラーメン同伴とか。
またあの子は貧乏な客にも構ってんのねぇ!!あたしには到底真似できないわぁ!!
同伴もアフターも金持ち限定!!」

「お前なぁ…。
持ってる客も太いんだからもう少し大切にしろって…」