こんな時は、いつものように自信をもって、そんな話馬鹿じゃねぇのって笑い飛ばしてよ。
けれど、わたしを見つめていた視線は右側へ移っていった。
次に言った朝日の言葉に、もう絶望しか残ってなかった。

「あれは……お前と付き合う前で…
俺もすごい酔ってたから、全然覚えてないんだ」

「嘘でしょ……?」

「さくら聞いて!
本当に全然覚えてなくて、気づいたら家のベッドに居て…
本当に後悔してたんだ…、あの後お前とすぐに付き合ったから、俺、ずっとお前に嫌われてると思ってたから」

さっき、愛たちに話した時と同じ、体が小刻みに震えていって
呼吸が浅くなっていく。喉はからからなのに、涙がぼろぼろとこぼれて止まらない。

「っ………。
どうするの…っ?!
美月ちゃん…そういう事してたの、朝日だけじゃないと思うよ……だったら、その子は…」

自分でも最低な事を言っているのは理解していた。
美月に対してもだ。けれど、朝日の母親は父親がいない状況で朝日を産んだ。
朝日に対しても最低な事を言っているのは分かってる。けれど止められない。

「俺は責任はとろうと思ってる。
俺以外じゃないかもしれないけど、俺の可能性だってあるんだし」

どうして……。
責任って何?
美月とどうするの?
ねぇ、わたしはどうなるの?
沢山聞きたい事はあったけれど、言葉に出来ない。