「ごめんなさい………」

るなは小さな声で、何故か謝った。

「え、何でるなちゃんが謝るの?」

「さくらさん、美月、妊娠してるんすよ………」

「は…………?」

愛の言葉に耳を疑った。
妊娠?何を言っているのか。

「え?それでお店を辞めるって??
子供を産むって事だよね??
具合いが悪そうだったのは、そういう事だったの。それで美月ちゃんの体調はだいじょうぶなんだよね?」

「それは…だいじょうぶなんですけど」

「そう体調がだいじょうぶならそれでいいよ。
ってゆうか、美月ちゃん付き合ってる人いたの?」

「そ、それは……」

そう聞いたら、あきらかに愛とるなの様子がおかしくなり始めた。
美月の事は、拓也から色々聞いていた。奔放な子だって分かってるから、もしかしたら父親が分からないのでは、とも思った。
最悪な事態なんて、想像もしていなかったんだ。

「え?」

「さくらさん、落ち着いて聞いて下さいね。
美月の子供、宮沢会長の子供かもしれないんです」

「は?」

朝日の、子供……?
頭の中で、るなの言葉が何度もこだました。
何を言っているの?言っている言葉の意味が理解出来なかった。