由真からはああは言われたけれど、やっぱり美月の事が気になってしまっていた。
更衣室に入って、愛とるなの姿を発見して、すぐにふたりの所に行った。

「あ、さくらさん……」

「おはよう!愛ちゃんるなちゃん!」

ふたりは顔を見合わせて、気まずそうな顔をしていた。

「ねぇ、美月ちゃんだいじょうぶ??何か佐竹さんが大変みたいだけど」

わたしの言葉に、愛とるなは困ったように戸惑った表情を見せた。

「佐竹さん…美月が出勤する時や帰る時毎日のようにお店にいたんすよね……
あたしたちも心配してたんすけど……」

「あたしも同伴の時お店に出勤する時佐竹さんに声を掛けられたんだよね…。
すっごく切羽詰まった感じだったんだから心配してたんだけど」

「あぁ…さくらさんもすか…。
あたしらも何回か話掛けられたんですけど、はっきり言って超怖いっすよね。
真面目な人なんだろうけど…あそこまで思わせちゃう美月だって絶対悪いところあるんだろうけど…人って何となくお客さんでも営業だなーとかって理解してお店に来てくれたりするじゃないですか。
佐竹さんの場合は言われた事そのまま受け止めるタイプっていうか…女慣れもしてなかったみたいだし」

「美月……最初は余裕だよーとか言ってたけど…
やっぱりああ毎日待ち伏せされたりとか、携帯の方にもすごい数連絡きてて
最後の方には本当に怖がってしまってて…でもあたしや愛にはどうする事も出来なくて」