次の日、お店に行くと沢村が慌ただしく動いていた。
携帯で連絡を取ったり、何やら焦っている様子で、由真はソファーに座って、携帯を弄っていた。

「由真さん、おはようございます」

「あ!さくらちゃんおはよう!」

「何か沢村さん忙しそうですね~…」

「あぁ、まぁ…ちょっと美月の事でね……」

「美月ちゃん?!そう言えば小笠原さんが言ってたんですけど、美月ちゃん、具合い悪そうだったって聞いたんですけど、体調だいじょうぶそうでしたか?」

「具合い、ねぇ。
まぁ大丈夫なんじゃないの…。
それよりさくらちゃん知ってるよね?美月のお客さんだった佐竹さんって人」

「あ!知ってます!!」

佐竹の名前を聞いて、何か嫌な予感がした。

「何か佐竹さんにストーカーまがいの事されて、出勤出来ないとか言ってるみたい。
あのお客さん…いい人だったけど、危ない感じしたものね。
お店に来る時も帰る時も待ち伏せしてるみたいで……
結局今は休ませてるんだけど、困ったものね~…。てゆーか美月があんなに使わせるから」

「でも佐竹さんは純粋に美月ちゃんが好きなんですよ…。
そんなに好きなのに美月ちゃんに危害を加えるようには見えませんけど……」