「宮沢さぁ~ん!久しぶりですね~!」

「彼女とこんなところでデートですかぁ~?」

あきらかな猫なで声。
けれど3人の視線がわたしへと突き刺さって、わたしの存在を空気として扱っている。
ため息が出るくらいあきらかな敵意を前に、自分より年上の女の人がこうやってお店でも誰かをいじめていると思うと、ため息が出てきた。

「あ~…お前らうっせーなー。あっち行けよ」

「あらー冷たくなったもんですねぇ。
ゆりと付き合ってた頃はあたしたちもご飯に連れてってくれたのにぃ~」

「うるせーって」

「はいはい~。その子と別れたらまた連れてってくださいね~!!!」

「あっち行け!!」

きゃははと高笑いがゆりのテーブルから聞こえる。
ゆりは無表情のまんまだったけど、3人はわたしを見て、目配せして笑う。

「はぁ~~~~」

「何か悪いな。食べたらすぐ出ような?」

「別にいいよ~。ゆりさんを取り巻く人たちには良く思われてないだろうし
つーかONEのゆりさんの取り巻きってあの人たちでしょ?」

「おう、俺に話を掛けてきたのがミエ」

「1番あたしを見てきた人ね……。
あの3人の中ではリーダーって感じだね

怖っ!」