そんな何気ない会話をしていると、一ノ瀬くんに指でちょいちょいと呼ばれた。
何だろう、と近寄ると、スマホの画面を見せられる。
そこには京子さんからのメッセージが表示されていた。
【春香ちゃんから連絡があって、また梓ちゃんを預かることになりました! 部屋、念入りに掃除しときなさいよ!】
って、ええ!?
私、なんにも聞いてないけどお母さん!
娘の私に話す前に京子さんにお願いするって、どういうこと?
開いた口がふさがらない。
そのまま一ノ瀬くんの顔を見ると、彼はいたずらっぽい笑みを浮かべ、そっと私に耳打ちした。
「また秘密の同居、する?」