以前一ノ瀬くんと高橋くんと三人で一緒に過ごした外のベンチに、いまは小鳥と梓もくわわって、五人で昼食を取っている。
たまにこうして集まって食べるようになって、高橋くんにも三年生の彼女を誘ってみればと言ったんだけど、彼女の方が遠慮しているらしい。
奥ゆかしいんだ、とでれでれした顔で言った高橋くんを、一ノ瀬くんが蹴り飛ばしていた。
どうやら一ノ瀬くんは、私がずっと高橋くんのことを好きだと勘ちがいしていたらしい。
それで高橋くんに彼女ができて、ふたりきりでいるところを私に見せないように、気をつかっていたと話してくれた。
お互いに勘ちがいしていたなんて、私たちって似た者同士なんだなと笑った一件だ。
「次のテスト、範囲やばくない?」
「えっ。そっちのクラス、もう発表になったの? 何の教科?」
「英語と数学、今日言われたけどまじやばい」
「高橋くん、部活もあるから大変だよね」