一ノ瀬くんの方も、森姉妹にまとわりつかれることもなくなって、落ち着いて生活できるようになったと言っていた。
あの告白のあと、改めてふたりに私と付き合うことになったと伝えて、もうべたべたするなとはっきり言ったらしい。
それを聞いて嬉しかった。
森さんの気持ちを考えると喜べなくなるから、彼女のことは考えないようにした。
私が考えるべきなのは、一ノ瀬くんと私のことだから。
一ノ瀬くんが私のことを、気持ちの面でも大切にしてくれるのが、本当に嬉しい。
「小鳥の方は? 彼の名前、聞くのは成功したんだよね。そのあとはどうなったの?」
「それがさ、聞いてよアズにゃん! 小鳥ったらねぇ」
「ちょ、ちょっと待ってよミーナ。自分で話すってば」
「その反応は、なんか進展あったわけだ? ほらほら、早く話してよ!」
小鳥が私にとって大切な幼なじみで親友であることは変わらない。
でももう、私が小鳥のナイトである必要はないみたいだ。
そのことは寂しくない。
距離ができるわけじゃなくて、ただ、別の人にバトンタッチするだけだ。
これからも友だちとして、小鳥の幸せを見守っていきたい。
私にも、私を心配して守ってくれる、ナイトがいる。
だから私もこれからは、自分の身を大切にするんだ。