「いやあ。アズにゃんてば罪な女だねぇ」
「ミーナってば、何言ってんの?」
「ミーナ。梓は自分の魅力をわかってないだけだよ」
「ちょっと、小鳥まで何わけのわからないことを……」
なんだかふたりは最近、こうやって息が合った調子で私をからかってくる。
行き帰りが一緒だからからな。
私だけ仲間外れみたいで、ちょっぴり寂しい。
「でも梓。本当に変わったね」
「そう?」
「そうそう。あれだけ毛嫌いしてた男子とも、自然に話せるようになってさあ」
彼氏の存在は偉大だね。
そんなことを言われ、顔が熱くなる。
確かに一ノ瀬くんと付き合うようになって、男子への耐性ができたというか、前ほど嫌悪感を抱くことはなくなった。
男子の方からもよく話しかけられるようになったし、小鳥たちに心配されることもなくなって、日々平和だ。