今日の授業は1限目から私の嫌いな体育
この学校は能力者の学校であって
私も能力者ではあるがサポート系の能力
自ら実践的に使えるわけではないため
とにかくしていて憂鬱になる
しかもそれに加え今日は2人1組でする実習
既に周りは1年生の頃から仲の良い子達と
ペアを組み終わっていて私は取り残されている
(どうしよ……あぁ…!自分から誘えたらな……)
誰にも話しかけられないまま周りをきょろきょろと
見回していると後ろから声をかけられる
「ひょっとして君まだペア組んでない感じ?良かったら
俺と組まない?」
明るく元気な男の子の声が聞こえて振り向き
「えっと………よっ…良いの?」
おどおどしながら聞くと相手は笑みを浮かべ
「もちろん!丁度俺もまだ組んでなかったしさ!」
「なっなら…よろしくね」
上手く笑えているか分からない表情をしてペアは決まった
「君名前は?」
能力使用の練習をしている時にふと聞いて来て
「えっ…えっと……飛騨…明…明…です」
ずっと緊張しながらも何とか答える
「明ちゃんね!そんな同じクラスメイトなんだから
敬語じゃなくて大丈夫だよ?あ!俺は夏月!よろしく!」
ニカッと笑う夏月と名乗ったその少年は
眩しくて私にとって光そのものだった
その後私が何度失敗し何度迷惑かけても
彼は嫌な顔を何一つせず優しく笑いかけて
励まし続けてくれた
(夏月くんになら話しても…良いかな私の事情)