私ばかりが話していて、伽斗の反応が分からない。




そっと横を向こうとしたその時、





ムギュッ




「ひぇっ!?」




ほっぺをぎゅっと掴まれる。





何!?





「俺は莉那に迷惑かけられてるなんて思ったことないけど?」




「へ?」




「逆にそれで自分には何もないって思う方が凄いと思うわ。」





なに?





どういうこと?




掴んでいた手を離すと、伽斗は私の両手を握った。





またこれは何?




そして、向かい合って目が合う。





「今言ったこと全部、莉那の凄いことだと思うけど。そんなに人のいいところ見つけて、褒めて。それはその人が聞いたら、すっげー褒め言葉だろ?」





伽斗は私に、素直に相手を褒められるやつは凄いと凄いことだと言う。





「人のいい所を見つけるってすげーことじゃん!それにさ、葉月葵ちゃんとか俺がすっごい前に出るようなタイプならさ、莉那は後ろで周りを光らせてる隠れたヒーローだと思うんだよね。」