「莉那、伽斗君と喧嘩したの?」




「え?」




「二人とも同じ顔してる。悲しそうな、泣きそうな。違う?」




「喧嘩、、、ではないんだけど。私が悪いの。」




そう言うと、葉月葵はふーんと言いながらちょっと笑った。




「莉那と伽斗君って似てるからね。意外と。」




思いもよらない言葉に私は目を見開く。




「どこが似てるの?」




「ふふっ。そーだなー。二人とも優しすぎて、考えすぎて、空回りしてるところ?」




空回り?




「色んなこと考えちゃってさ、ごめんって一言でいいのに、その言葉も出てこないくらい目の前のことに一生懸命なの。たまにはさ、素直に、ごめんって一言が最初に出てきたらいいよね。」




葉月葵の清々しい顔に、私は見とれる。




なんか、大人っぽい。




葉月葵ってやっぱりなんか、凄いな。




それと同時にまたちょっと落ち込んでる。




でも、そうなんだ。




似てる、、、、のか。




「まぁー、とりあえず稼ごうか!」