「ん?どうしたの?」




葉月葵が私の顔を覗き込んで、伽斗を見た。




反射的に体が動いて、




「なんでもない!ほら、それ積もう。」




「あっ、うん。」




そうこうしているうちに、オーナーが来た。




「よし、じゃあ、みんな乗って。」





助っ席に海璃君。




真ん中の席に私と伽斗。




後ろの席に葉月葵が乗った。




海璃君がいてくれて、葉月葵がいてくれて良かった。




きっと、私と伽斗の二人きりだったら、何も話せなかった。




だって、さっきから伽斗の目が悲しそうだから。




「、、、、、、、、、ごめん。」




こんなの、呟いたって届かないのに。




お祭り会場に入ると、もう屋台が出来上がっていた。




ダンボールを下ろすのは伽斗と海璃君で、私と葉月葵はダンボールから中身を出していたから、伽斗と話すことはなかった。




箱から出しながら、葉月葵が言った。