綺麗な黒髪を揺らしながら走ってくる。




ロングだった髪は、暑いっていう理由だけでミディアムぐらいになっていた。




川口 葉月葵(かわぐち はづき)。




私の親友。




唯一親友と言える存在。




葉月葵は私のことならなんでも知ってるし、それは私も同じだ。




「生徒会終わったの?」




「うんうん、終わった!!莉那はまた本借りてたの?」




「うん。教室にバッグあるから取りに行くとこ。」





「じゃ、私も行く!!」




葉月葵は明るくて、元気で、ムードメーカー。




私が落ち着いているほうだから、たまに葉月葵が妹に見える。




でも、真剣に話を聞いてくれるし、素直だし、そんな所が私は好きなんだ。





教室に行くと、綺麗な夕日が出ていた。




真っ赤な光が教室も照らす。




私がバッグの中を整理していると、前の席に葉月葵が座る。





「あー、疲れたー。」




「お疲れ様、副会長。」




「うむ。」




敬礼して私を見るから、思わず笑う。