「っ!!何すんのよ!!」




響樹が母の頬を思いっきり叩いた。




「莉那が何もしてないって?お前がふざけんなっ!!毎日毎日、勉強して、それで伊知の面倒も見て、夏休みの間は俺のお昼ずっと作ってくれて!!伊知のことも迎えに行って。平日だって、家事もほとんど莉那がやってんだよ!!お前がなんにも知らないだけだろ?これ以上、俺の姉を馬鹿にすんなよ!!」




そっと、自分の頬に手を当てる。




涙が出ていた。





隣では伊知がしゃくりあげながら泣いている。




そっと、立っている響樹を見ると、息を切らしたまま睨んでいた。





私はそっと響樹の手を取ると、





「、、、、、、ありがと。響樹。」




そう呟いた。




響樹は何も言わずに強く手を握った。




沈黙が続く中、それを破ったのは伽斗だった。




「部外者の俺が言うことじゃないんですけど、今の発言、警察に届け出たらどうなるんでしょうね?」