「もう帰るわ。大事な大事な弟なら、あんたが面倒見なさいよ。どうせ私が行ったって嫌われるしね。、、、、、、あんた達そっくりだし。あの父親と。」




そう言い放って、背を向けて帰って行った。




私はそこに突っ立ったまま、その姿を見ていた。




何も考えられない。




でも、



混乱する頭でさっきからずっとリピートされているのは、




「あんたのせい。」




この言葉が離れなくて、




涙も怒りも何も無い。




別に、何も感じない。




ただ、




「、、、、響樹のところに行かなきゃ。」




そして、手術質の前に来て、名前を呼ばれた。




「莉那?」




返事はしたっけ?




しなかったっけ?




ガチャッ




手術室が開いた。




そこには目をつぶったまま、包帯を巻いている響樹の姿。




寝ているんだろうか。




私は直ぐに近寄った。





「響樹?」





「今は麻酔で眠っています。何時間かすれば目を覚ますと思いますよ。遅くても明日には。」




「そうですか。」