「教えてくれてありがとう。伊知ちゃん。」




「うん。お姉ちゃんね!いつも元気なんだけど、最近ずっと具合悪そうなの。お兄ちゃんも言ってた。だからかとお兄ちゃん、お姉ちゃんのこと助けてあげて!!」




真っ直ぐに見つめられた目。




「うん。分かった!!絶対、お姉ちゃんのこと助けるよ。」





「ほんと?」




「うん。約束。」




小指を出すと、伊知ちゃんが小指を絡めた。




「偉かったね。今日は。伊知ちゃんのおかげで響樹お兄ちゃんもお姉ちゃんも助かったんだよ。」





そう言って頭を撫でると、儚げに笑った。




その笑顔は莉那に似ていて、ふんわりした笑顔だった。




すると、またカツカツと足音が聞こえた。




「莉那?」




名前を呼ぶと、パッと顔を上げた。




その顔は、




見たことがないくらい、




酷かった。