「お姉ちゃん、いつも私に見せないようにしてるけど、私知ってるの。夜にお母さんと喧嘩してること。小学生の私だって分かる。お姉ちゃんが正しいこと言ってるって。」




俺は何も言わずに頷きながら聞いていた。




「お母さんはお姉ちゃんに嬉しいことあると、すごく怒るの。それは響樹お兄ちゃんも同じ。それに、お母さんがひいおばあちゃんと喧嘩すると、いつも最後にお姉ちゃんが文句言われてるの。」




どういうことだ?




莉那が怒られる?




俺にはさっぱり話の先が見えない。




「いつから、お母さん怒るようになったの?」





「、、、、、、お父さんいなくなってから。」




その時、点と点にあった情報が何となく繋がった。




「、、、、、、伊知ちゃんに聞きたいことあるんだけど。今日、響樹お兄ちゃんなんで怪我したの?」




「お兄ちゃん、部活で選手に選ばれて。だから、部活で帰り遅くなるって言ってた。そしたらお母さんが、、、、お兄ちゃんばっかり好きなことやって、遊べて良かったなって怒って。」