「美月、本当なの?」

 麗華さんが少し疑った表情で聞いた。

「い、以前から想ってくださっていたのは、今、初めて知りました。でも、結婚を前提に、というのは本当です! ……だから、私、お見合いは出来ません!」

 驚いた顔をしたことをうまく誤魔化して、彼女が発言した。

「西園寺先生。美月の部屋に上がったことないわよね?」

「え?」

「我が家に来たことないでしょう。それにこの子が外泊したこともないわ。美月と付き合ってるって本当なの? この子のこと、ちゃんと愛してるの?」

 何故こんなにも疑われるのかは分からないが、彼女が不倫していない事実が判明して、俺の心は舞い上がっていた。

「愛しています! だからこそ、大事にしたいと思っています!」

 高峰さん、ギョッとしすぎ。目が見開いている。驚く彼女に向かって甘く微笑み、気にせず続けることにした。

「確かに、家に来てもらうことも伺ったこともありません。しかしそれは、彼女が男性に不慣れかと思いましたので、順序を間違えないよう自分を律していたまでです。結婚をお許しいただけるならすぐにでも一緒に暮らしたいと考えています。とても真剣に交際しているつもりです。ですから、どうか見合いの話は今一度考え直していただけませんか。」

 調子に乗りすぎたかもしれない。でも麗華さんの疑いを晴らすにはこれくらい言った方が……! しかもこれ本心!