季節は夏、真っ盛り。
どこかからともなく聞こえてくるセミの声が、耳にまとわりついて余計に暑さを増す。
『先輩、約束ね?』
『うん…約束。』
あの日から1ヶ月程度が過ぎた。
あたし達は毎日一緒で、周りが羨むくらいのラブラブっぷり。
……ってわけじゃなく、
「なに?」
「へっ!?いや別に…なんでもない。」
なんて考えていたら優雅が不思議そうに顔を覗きこんできた。
「な~んだ、俺にみとれてただけか。」
「なっ!?何でそうなんの!?」
そう叫んで思わずハッとする。
しまった。ここが図書室だってこと、忘れてた……
葉月の顔はみるみるうちに赤く染まっていった。
そしてそれを見た優雅は、笑わせないでもらえます、先輩?と小声で呟きながらクックッと笑っている。
「~~っ!!」