愛してるから、私を忘れて。


短い人生だったけど、優くんがいてくれたから私は幸せだった。

優くんは、私の最愛の人だった。

だから、突放した。

優くんが、私を忘れられるように。

私が死んで、清々したって思えるように。

でも、優くんは私を愛してくれてた。

何も知らずに、ずっともやもやした気持ちのままいるのもいやかなって思って、手紙を書きました。

優くん、もう私の事忘れていいんだよ。

他の子と、幸せになって。





・・・なんて思っても悔しいな。

他のこと幸せになるなんて、絶対に嫌だよ。

結婚、したかった。

でも、無理だったから。

ごめんね。

いっぱいいっぱい、傷つけてごめんね。

優くん。

お願いだから、私を忘れて・・・?

お願いだから、私を忘れないで・・・。

ごめんね。

こんな事言って。

でも、これが私の本心だよ。

今まで、本当にありがとう。

本当に、大好きだった。

愛してるよ・・・。


菜花より




「な、の・・・。」


涙は溢れて止まらない。


辛かったよな・・・。


なぁ、なの。


俺も、結婚したかった。


今でも、すげー愛してる。


これから、なの以上に好きになる人はいないと思う。


もし、好きな人が出来ても、なののことはずっと愛してる。


何があっても、ずっと愛してるよ。


なの・・・。


今までも、これからも。


愛してるから、なのを忘れない。


END


はじめまして。


柏木れもんです。


短編小説書きました。


どうでしたか?


もし、桜sideも見たいと思ったら、感想ノートかレビューとかに書いてください。



もしよければ、感想・レビュー・かんたん感想など宜しくお願いします。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


H31  3 12   柏木れもん


【桜side】


2日前、私の親友が裏切った。


菜花は本当に、私の事を利用していただけなの?


私はずっと信じてたのよ。


ねぇ、あれは本心なの?


菜花の席を見ると、菜花はいなかった。


先生が教室に入ってきて、ホームルームが始まった。


先生は、皆を黙らしてからこう言った。


「坂下菜花さんが昨日、お亡くなりになられました。」


え・・・・・・?


「頭に、腫瘍があったそうです。」


悲しそうに、担任の先生が言う。


どういうこと・・・?





菜花が、死んだ・・・?


周りを見ると、泣いている人が多かった。


私も、涙が溢れて来た。


「今日の放課後、お葬式があります。行ける人は、行ってあげてください。」



担任の先生は、そう言って教室から出て行った。


「ねぇ、ヤバくない?」


「菜花ちゃん、死んじゃったの・・・?」


「もしかして、桃原くんや桜ちゃんのことって、腫瘍とかのせいだったり・・・。」


「じゃあ、あたし達がしたことは・・・。」


「最低だ・・・。」


皆が、口々に言う。





う、そでしょ・・・?


そう言う事なの・・・?


なのに・・・、私は・・・。


「相園・・・。」


桃原が、私の席に来た。


「ねぇ、桃原は、知ってたの・・・?」


私はそう聞いた。


桃原は首を振った。


「知らなかった。」


「そっかぁ・・・。」


ごめん・・・。


ごめんね。


菜花・・・。


私、何も知らないで勝手に菜花を最低って思っちゃった。


ごめんなさい・・・。


そう思いながら、私はまた涙を流した。














放課後になって、葬式会場に行った。


「桜ちゃん・・・?」


「おばさん・・・。」


菜花のお母さんが、私を呼び止めた。


「あの子、桜ちゃんにいっぱい酷いことを言ったみたいね。ごめんなさい。・・・でも、許してあげてほしいの・・・。」


おばさんは、悲しそうな顔でそう言う。


「違います・・・。私が、全部悪いんです。何も知らないのに、菜花が、私達の為にしてくれたのに私は菜花のことを最低って思って・・・。」





「桜ちゃん、自分を責めないで?」


「っ・・・。でも・・・。」


「ねぇ、桜ちゃんはまだ菜花のことが好き?」


「っ、はい。ずっとずっと、菜花の親友です。」


私がこんなことを言っていいのかわからないけれど、私の中で、菜花はずっとずっと親友だから。


「そう、じゃあ、これを受け取ってくれる?」


そう言って、おばさんから渡されたのは手紙だった。


「菜花からよ。読んでほしいの。」


「・・・ありがとうございます・・・。」


愛してるから、私を忘れて。

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