それがギャアギャアと悲鳴を上げて苦しみ始めた。


「いいぞ。みんな、今の内に逃げよう!」


照平が山道を駆け下りる。


あたしは苦しむソレを見て一瞬胸が痛んだ。


どんな化け物でも、自分のお腹から出て来たのだ。


そう思っても止まっている暇はなかった。


「さようなら」


あたしはそう言い、音楽を流しながら山を下りたのだった。