「え?」


あたしは驚いて聞き返す。


「ことの原点はやっぱり悪魔山だ。行って、なにが起こっているのか調べてもいいと思う」


言いたいことはわかる。


だけど、そこでまた悪魔に妊娠させられたりしたら……?


そう思うと怖かった。


「大丈夫だよ友里。あたしも透も悪魔への願いなんて持ってない。友里の願いももう聞き届けられてるんだから、きっと大丈夫」


梓があたしの手を握りしめてそう言った。


「そうかな……」


あの山へ行ったとき、高いフェンスを乗り越えることも、狭い山道を歩く事も全然怖くなかった。


まるでなにかに操られているような感覚だった。


もし、あの時と同じようなことが起こったら……?


どうしても、そんな風に考えてしまう自分がいた。