「隣県で行方不明者が増えてるって!」


夕夏の言う通り、隣の県で数人の行方不明者が出ているらしい。


そう言えば、夕夏の友達も隣県の子だっけ。


そう思い出し、夕夏が青ざめている理由がわかった。


「きっとただの偶然だよ」


あたしはそう言って夕夏の腕をさすった。


「でも、こんなに次々人がいなくなることってある? 友里の叔父さんや叔母さんだって……」


そこまで言い、夕夏は口を閉じた。


周囲を気にしてクラス内を見回している。


「あたしのことは気にしないで。それに、共通点なんてないと思うしさ」


あたしは夕夏へ向けてそう言った。