「友里?」


そんな声が聞こえてきて一瞬息を飲んだ。


振り返ると、不審そうな表情で透が立っているのが見えた。


「透……」


「なにしてんだよ」


そう聞かれて咄嗟に視線を逸らせた。


「別に、なにも」


「もう授業始まるぞ?」


「透だって、こんな時間にこんなところで何してんの」


そう聞き返すと「俺はただの寝坊」と、返された。