｢……明日？｣


｢そう、明日｣


お母さんは、急だけど大丈夫、と微笑みながら繰り返した。


｢明日、仕事は早く切り上げて、キムさんを家に連れて来るから。…瀬奈が安心するまで、話すから。…きちんと、瀬奈の事も瀬奈の前で彼には伝えるからね｣


｢あ……うん、ありがとう……｣


そのお母さんの配慮には、心から感謝する。


けれど、話の展開が急過ぎて。


(ああ、そうなんだ…。明日、明日ね…)


(明日、キムさんが家に来るんだ…。そっかそっか…)


その後、寝る為に部屋に入ってからも明らかに放心状態に陥った私は、到底寝れるはずもなくて。


その後1時間以上かけて何とか寝れたは良いけれど、すぐにお父さんに暴力を振るわれる忌まわしい夢を見て起きてしまって。


だから、結局のところ余り睡眠時間も取れなかった。



それでも、やはりキムさんに会うのを楽しみにしている部分もあって。


初めてお母さんの付き合っている人の名前を聞けたし、お母さんが家に男の人を連れて来るのはこれが離婚後初めてだ。


再婚という話が出たという事はキムさんもお母さんの事を好きなはずだから、2人の事はちゃんと受け入れてあげたい。


もちろん、キムさん1人の事も。