……いやいやいや、でもさ。

好きって言われたのは嬉しいけど、なんかおかしくない?

だってあなた、つい昨日まで彼女いましたよね?

まあ、3日でフラれたけど。

その前だって、その前の前だって……。

「……ルリ、俺と付き合って」

いつになく真面目な表情でそう言って、私にキスをしようと近づいてきた和希の赤い顔を、私は「ストップ!」と手で押し返す。

「なんだよ?! ダメなの?」

「付き合うのはもちろんいいんだけど」

「けどなに?! なんか問題ある?」

「いや、そもそもね……私のこと好きなら、なんで今まで他の子と付き合ったりしてたのかなって」

私が言うと、和希は「ああ、そんなことか。そんなの気にすんなよ」と言った。

いや、気にするだろ!

「だって俺、優しいから断れないっつーか」

「は?」

「うそうそ」

「じゃあ、なんで?」

私が尋ねると、

「……ぶっちゃけるとね。どうせルリと付き合えないなら、もう誰でもいいかなーって」

和希はとても真面目な顔で言った。

付き合えない? なんだそりゃ。

ずっと彼氏いない私と、どうせ付き合えない、ってどういうこと?

さっぱりわからん。