いきなり雨が止んだと思ったら傘が差し出される

柊さんは怒りでちょっと震えていた



「あなた、何してるんですか?」

『…あ、柊さん。奇遇だね』

「こんなに傷だらけで!」

『はは、大丈夫。緑川さん呼ばなきゃ…あ、携帯…。』


柊さんはハンカチで止血をしてくれる







携帯、家に忘れてきた…。



どうしよう、取りに帰らなきゃ

どうにかして動こうと立つが何故か足が震えてしまい倒れこむ


「湊!呼びますから頼むから動かないでください!」

『もう、要らないから俺なんて…離して』

「何言ってるんですか!?」

『消えてしまいたい…』

「私はあなたが欲しいです」

『…もう、要らないんだ…』

「願ったって手が届かないのに」





柊さんが強く抱き締めてくれる
暖かい。そう感じるほどに俺の体は冷たくなっていた


暖かいくて優しい


意識、手放しそうになる。

このまま眠ったら流石にやばいよ…。





猫が鳴いている

俺はどこまでが記憶でどこまでが行動なのか曖昧だった