気づかれたら大変だ。慌てて柊さんの後ろに隠れる

『…柊さん、前から美代子さんが来から背中貸して』

「…」





柊さんは俺を持ち上げて前の様にお姫様だっこをした


『やだ、やめてよこんな所で。注目されるじゃんか』

「でも、今下ろしたら更に注目を集めますよ。さあ、顔を隠して」

『…』



顔を必死に隠して美代子さんが通りかかるのを待つ



美代子さんは笑っていた
どうして、俺のところに帰ってくるのだろうか。
あんなに幸せそうなのに

不安になる
もう、俺は要らないんじゃないか。そう思う







呟くように柊さんに問いかける


『ねぇ、柊さんならいろんな人と付き合っても結局、元カノの所に帰ってきたりする?』

「は?」

『美代子さんに俺、どうしたらいいのか分かんないよ』

「他の人の事を考えるなんていい度胸ですね」

『そうだけど…んっ』





二度目のキス

柊さんは舌を絡めてきた

負けじと必死に口を閉じる





俺は柊さんの気持ちに応えられない。

俺には美代子さんがいる
美代子さんに捨てられたら俺は…。