「それはストークの犯行予告を無視するということ!?あり得ないわ!」

『先輩、落ち着いて』

「栗田!お前の単独行動のお陰でこっちは被害を受けているんだ。
いい加減にしなさい」

『あ、先輩!どこ行くんですか!』

「友男はどう思う?あれはストークからのメッセージだと思わない?」

『…僕には分かりません。でも、あなたがそう思うなら』

「…」
「…」
「…」


『あ、ごめんなさい!ダメだったら言ってください』

「ダメに決まっ「湊くんの演じる友男、オリジナリティーが出ててすごく良いよ」

「湊くん、どうして最後の台詞で無表情で麻衣子を見つめるの?
あの場面、サイコホラー感が出てて良かったよ」

『本当の友男には感情が存在しません。
友男は幼い頃から孤児院で育ち内部でいじめがあって誰にも手を差しのべられることもなく育ちました
でも彼は自分の存在を認めてます。だからこそ無表情なんです
麻衣子を本能で狩るつもりでいるんです』

「湊君、役掴みましたね」

「でも、強烈になったな」

「白石さんもここまで湊くんがやってくれると思ってなかったんじゃないでしょうか?」

「いつもみたいに若い男から主導権を握ろうとしたんだろうが、今回は負けだな」






白石さんに、これ以上思い通りにさせない。

俺には俺の演技をやらせてもらう