柊side




なぜ私がこんなことを

いや、よく知ってる。私を動かすこの感情を






湊は軽傷で止血をすればすぐに止まった


なんて子だ…。スキャンダルを逃れるために自ら傷つけるなんて…。
大した役者根性だ








問題を起こした白石千夏は震えてへたりこんでいた






『卑劣な真似をしても湊は手に入ることはありません』

「…っごめんなさい……」






怒るでもなく、ましてやそこの女に話すでもなく大きく呟いた




世間を騙してまで愛し続けるあの女

誰がどう見ても最低な女だがそれでも湊はあの女が好きなんだ

それを痛いほどよく知っている