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柊琉と出会ったのは1か月前


柊琉は当時付き合っていた涼(りょう)と


部活もクラスも同じでいつも一緒にいた。


「柊琉めっちゃいいやつなの」


涼が楽しそうに彼の話をよくしていたので


私は柊琉のことを知った。


それから私はよく涼といる柊琉の姿を


学校で目にするようになった。


「瀬那?また涼君のこと見てるの?手とまってるよ?」


部活中によく親友の美波(みなみ)に


声をかけられるほど


男バドの練習ばかり見ていた。


「んん?そうなのー。」


そう答えながらも私の目線の先には柊琉がいた。


その頃わたしが好きだったのは


紛れもなく涼だったし


柊琉に恋愛感情なんてなかった。


でもそんなこと忘れちゃうくらいに


部活をしている柊琉の姿に目を奪われていた。


運動神経がよくてかっこいい柊琉は


なにもない私にとって輝いて見えた。


柊琉の存在を知ってから数週間後


私は涼に振られた。


理由は合わないとこが多かったから。


涼とならうまくやっていける


そう思っていた私は


涼本人には「友達としてよろしくね!」と


明るく振る舞いながらも、実際は


振られたショックで立ち直れずにいた。


そんなときふと柊琉の顔が思い浮かんだ。


そんなとき運良く柊琉が通りかかった。


「女子バドミントン部の瀬那です!わかる?」


なにも考えずに勢いで行動しちゃうのが


私の悪いところだ。


知らないって言われたらどうしよう


不安に思い、俯きながら返事を待ってると


「あ、わかるよ!」


と柊琉が答える声がしてバっと顔を上げた。


私、知られてたんだ!


そう思うと嬉しくてたまらなかった。


それから連絡先を交換し、よく話すようになった。


たくさん話しているうちにお互い惹かれ合い


数回二人で遊んでから


柊琉からの告白で付き合うことになった。