「あ、柊琉。」


私たちが話してるそばを柊琉が通った。


「柊琉くんは焼けたかどうかわかんないね。」


美波が冗談交じりに笑いながら言う。


「なんかむかつくな。」


柊琉が口を尖らせている。


柊琉は元々肌が黒い方なので


私から見ても夏に入る前と


さほど変わっていないような気がした。


「まあ日焼けしてもわかんないってことじゃん?ラッキーじゃん?」


私は彼に向かってそう言った。


「確かにそうか!ならいいや。」


単純なやつ。かわいい。


「そうそう、んじゃあまた後でね。」


私たちは柊琉と別れ、自分の教室へと向かった。