「お前達がここへ来たのには訳がある。何もかも私にはお見通しだ。そしてこれから起こること全ては、お前達には必要な出来事の一つとなるだろう」

 大蛇の話し方は預言者のようで、いまいちよくわからなかった。

 トイラとキースはただその場で、緊張して突っ立っていた。

「トイラ、お前は本当に森の守り主になりたいのか」

 大蛇が訊いた。

「それじゃ、俺をここへ呼んだのは本当にあなただったのですか」

「ああ、そうだ」

 あっさりと大蛇がそれを認めた。

 疑ってかかってたキースは驚きが隠せない。
 思わず口がでてしまう。

「森の守り主、ジークをメッセンジャーとして、あなたが駒の役割をさせたということなんですか」

「そうだ」

「なぜあんな信用の置けない奴を使うんですか」

 キースはどうしても納得いかないでいる。

「お前は、忠実で、用心深く何事も慎重で優秀だ。何も自分を恥じることはない。お前は私が思った通りの森の守り駒だ。誇りに思う。そして、トイラ。誰よりも気ままで身勝手だ。だがしかし、お前は緑の目を与えられている。お前には森の守り主に相応しい力が備わっている。だが今のその気持ちではまだなれぬ」