「なんてこった、もう半月になっている。このままでは時間がない。早くジークをやっつけなければ、ユキは……」
「落ち着け、トイラ。焦りは禁物だ」
「しかし、この月の痣が満月に近づく度に、ユキの胸の痛みは強さを増す。太陽の玉を持つジークがこれ以上近づけば、人間であるユキの体はもたないかもしれない。持ちこたえたとしても、完全な満月になれば、ユキは確実に命を落としてしまう。どっちにしても最悪だ」
「トイラ、自分を信じろ。森の守り主が言っていただろ。お前ならユキを救えると。とにかくユキをベッドに寝かしてやらないと。ほらお前が運べ」
壊れ物を抱くように、トイラはユキを恐々と抱きかかえた。
ユキを部屋まで運び、そっとベッドに寝かしてやった。
ユキの顔色はどんどん青くなり、唇が紫色になっていく。
頬に触れると冷蔵庫で冷やされたようにひんやりしていた。
「しまった、体温が下がっている」
トイラは黒豹の姿になり、昔ユキが小さかったときにしてやったように、隣に寄り添って体を温めてやった。
「ユキ、しっかりするんだ」
黒豹のトイラは喉をゴロゴロさせていた。
「落ち着け、トイラ。焦りは禁物だ」
「しかし、この月の痣が満月に近づく度に、ユキの胸の痛みは強さを増す。太陽の玉を持つジークがこれ以上近づけば、人間であるユキの体はもたないかもしれない。持ちこたえたとしても、完全な満月になれば、ユキは確実に命を落としてしまう。どっちにしても最悪だ」
「トイラ、自分を信じろ。森の守り主が言っていただろ。お前ならユキを救えると。とにかくユキをベッドに寝かしてやらないと。ほらお前が運べ」
壊れ物を抱くように、トイラはユキを恐々と抱きかかえた。
ユキを部屋まで運び、そっとベッドに寝かしてやった。
ユキの顔色はどんどん青くなり、唇が紫色になっていく。
頬に触れると冷蔵庫で冷やされたようにひんやりしていた。
「しまった、体温が下がっている」
トイラは黒豹の姿になり、昔ユキが小さかったときにしてやったように、隣に寄り添って体を温めてやった。
「ユキ、しっかりするんだ」
黒豹のトイラは喉をゴロゴロさせていた。