「相変わらず、血の気が多いんだから。ほらほら、怖い顔しないで下さい。違いますよ。私はトイラの味方です。わかってるでしょ、他のものから違う目で見られるのが どんなに辛いことか。私も経験しましたからね。まあ私の場合、飛ぶことができても鳥の仲間でもなく、ねずみに似てると言われてもねずみの仲間でもない、ほんと中途半端でからかわれてましたからね」

「何がいいたい」

「だから、方法があるんですって」

 ジークはちらりと横目でユキを見た。

 ユキは二人の会話に入り込めずに圧倒されていた。

「何の方法だ?」

 トイラがギロリと睨む。

「種族を超えて、トイラがそのお嬢さんと幸せになる方法が」

 ジークがニタっと、ヤニがついたような黄色い歯を見せて笑う。

「そんなこと余計なお世話だ。もう向こうに行ってくれないか」

 トイラは呆れて、ジークの話など耳を傾けようとしなかった。

 ユキを連れてその場を去ろうとジークに背中を向けたときだった。