「ユキ、俺はお前が好きだ。誰かを好きになるなんて考えたことなんてなかった。ユキは俺の心を温かくしてくれた。俺は何百年と生きてきて、こんなに心を満たされたことなどなかった」

「えっ! 何百年も生きてるの?」

 ユキは告白よりもそっちの方がびっくりだった。

「おいっ、告白してるのに、なんだそのリアクションは」

「だって、そんなに生きてるなんて、ちょっと驚いたのよ」

「だからこそ、俺はユキに出会うまで、ずっと孤独だったんだ」

「私だって、トイラに出会うまでずっと孤独だったわ。自分の居場所を探して、森で道に迷ったあのとき、私は、強く望んだの。もし私を必要としてくれる人がいるのなら、今すぐ私の側に来て下さいって。だからあなたを見たとき怖くなかったし、私の願いが届いたと思ったの。私だってトイラが大好き」

 ユキも思いをぶつけた。

 二人はじっと見つめ合っていた。

 このまま二人でずっと一緒にいたい。

 そう思っていたとき、トイラの耳がピクリと動いた。

「誰だ、そこにいるのは」

 トイラががばっと立ち上がり、ユキは辺りをきょろきょろ見回していた。