私は、目を覚ました。
見慣れた黒い空が広がっている。
体を起こすと、ほぼ同時に目覚めたみんなと目が合う。
そのどの目も、鎮痛さが浮かんでいる。
5人しか居ない。
これまでずっと、6人いた参加者が1人減っていることの意味を、誰もが分かっている。
それを悲しむよりも、次は自分が居なくなるんじゃないか?という恐れのほうが強い。
指令書はない。
もう、逃げられない。
「5人でやるのか?」
彰が悪魔に問いかけると、悪魔は私を見た。
リーダーの私を。
5人でやるのも、メンバーを補充するのも私次第。
板垣の分までサイコロを投げて倍になる危険を負うのか、それとも誰かを__。
私が黙っていると、悪魔がにんまりと微笑む。
光が、集まったからだ。
やがて光が輪郭を作り上げていく。
人の輪郭を__。
「みんな、新メンバーだよ!」
悪魔が手を叩いて出迎える。
けれど当の本人は、ぼんやりと辺りを見回していた。
ゲームを始めた当初の、私たちのように。
「なんなの、ここ?」
そう言って、立ち上がる。
【池岩由佳】は立ち上がった。