お互い瞬きもしない。
私たちはしばらく睨み合った。
悪魔のせいじゃないけど、こいつは私たちが苦しむのを面白がっている。
指令書の枚数が限られていることを、知ってて教えてくれなかった。
文字通り【悪魔】なんだ。
板垣が死んだことなんか、どうでもいいのだろう。
「僕は別に構わないよ。5人で続けるって言うならそれでも」
口角は上がっているが、目だけは笑っていない。
こいつはまた、なにか企んでいる。
私たちに圧倒的に、不利になる何かを。
「もしメンバーを補充しないとどうなるの?」
「あれ?ルールなんてどうでもいいんじゃなかったっけ?」
「いいから教えて」
「いいよ。もしメンバーを補充しないなら、彼の分も君に投げてもらう。君はこのゲームを始めたリーダーだからね」
「リーダー?」
「そう。だから参加者を決めるのも、メンバーを補充するのもリーダーの特権なんだ。彼の代わりに誰かを加入させる、もしそうじゃないなら、彼の分まで君が背負うことになる」
「__誰かを加入」
それは、その誰かを危険な目に遭わせてしまうということ。
命を失う恐れもある。
それなら、私が板垣の分を負う?
それが、私の責任じゃないか?
危険は2倍になるが、誰かを苦しめるくらいなら私が__?
「じゃ、よく考えてといてね」
悪魔が消え去ると、代わりに1枚の用紙が足元に置かれていた。