な、なんでここに⁉︎
ギョッとしてドアを閉めた。
疲れ切っているからだろうか?
幻覚が見えた?今は1番、見たくないものが。
願いを込めてもう1度、ドアを開けた。
「そんなに驚かなくてもいいじゃないか」
やっぱりまだそこにいた。
幻覚なんかじゃない。
「どうして?」
「君に用があったんだ。大事な用が」
「大事な、用?」
「そう。彼が死んだでしょ?参加者が1人減ったから、新しくメンバーを補充しないといけない」
悪魔の説明に、頭がくらくらする。
死んで、減って、補充?
ゲームの通り、板垣がトラックに轢かれて死んだんだ。
運命は変えられない。
もし、板垣があのまま二階に居ても、車に轢かれて死んでいたんだ。
マス目から現れた運命からは、逃れることができない。
しかも指令書がもうない。
悪い目を踏んだ時点で、助かる方法がないんだ。
それなのに、新しいメンバーを補充?
冗談じゃない!
だんだん腹が立ってきた。
「このゲームは6人でやらなきゃいけない決まりなんだ」
「知るか」
「ん?」
「そんなルール知るかって言ってんの!」
私が怒鳴ると、悪魔は笑顔を浮かべたまま固まった。